パソコンを処分する際、考えなければならないのがデータの扱いです。例えば、アプリケーションをダウンロードしたり、画像を保存したりするとすべてハードディスクにデータが記録されます。

もし、データ消去をせずに処分してしまうと情報漏えいなどのトラブルに巻き込まれる危険性があるのです。また、ゴミ箱にファイルを捨てたとしても復元できてしまうので、正しいデータ消去方法を知る必要があります。

そこで、今回はパソコンを処分する前に知っておきたい重要なポイントと具体的なデータ消去方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

パソコンを処分する前に知っておきたい重要なポイント

パソコンを処分するときに確認したいポイントは下記の2つです。

・リカバリーによるデータ消去は復元できる
・データはバックアップを取る

それぞれのポイントについて解説します。

リカバリーでは完全にデータ消去できない？

WindowsやMacには、初期化するための手順が用意されています。リカバリーをすることで、一見データが削除されているように見えますが、それは適切ではありません。

なぜなら、リカバリーによる初期化は復元可能だからです。初期化したとしてもハードディスクの中にはデータが残っており、復元用ソフトを使用することでデータを復活させることができます。

もし、処分したパソコンが悪意のある第三者に渡ってしまい復元ソフトを使われたら、大きなトラブルになる危険性もあるでしょう。“初期化=完全データ消去ではない”ということを覚えておくとパソコンを適切に処分することができます。

パソコンを処分する前にデータのバックアップを取る

パソコンの中に重要なデータが保存されているという方も多いのではないでしょうか。データ消去をしてしまうと、当然ファイルなどが消えてしまうので、USBやクラウドストレージにバックアップを取らなければなりません。

ちなみに、WindowsやMacには自動バックアップ機能があります。その機能を使うことで、自動でクラウドサービスなどに保存してくれるので、ボタンひとつでバックアップが可能です。

また、システムイメージを作成してPC丸ごとバックアップするという方法もあります。バックアップしたい内容を考えて適切な方法で行うのがおすすめです。

完全なデータ消去方法とは？

パソコンを処分する前に、完全にデータ消去できる方法は大まかにわけて下記の4つです。それぞれの方法について詳しく解説します。

ハードディスクを物理的に破壊する

1つ目は、ハードディスクを物理的に破壊する方法です。物理的破壊とは、金槌やドリルなどを使って叩いたり、穴を開けたりすることになります。簡単に言えば、壊してしまうということです。

破壊してしまうと読み込みや書き出しの機能を失うため、使用できなくなります。そのため、結果的にデータ消去を完全に行うことが可能です。

しかし、物理的に破壊するためには、パソコンを分解してハードディスクを特定する必要があります。また、破壊するときは破片などが飛び散るため、専門業者に依頼するのがおすすめです。

OS内蔵のコマンドを使用する

OS内蔵のコマンドを使用することでデータ消去ができます。そのコマンドとはCipherです。

CipherはWindows 10に搭載されている機能で、ハードディスクを傷つけることなくデータ消去できます。Windowsシステムツールのコマンドプロンプトでcipher /w:c:と入力すれば完了です。

しかし、上記のコマンドを実行する前にデータをすべて消去する必要があります。また、CipherはWindows 10のみに搭載された機能です。10以前のバージョンやほかのOSでは使用できませんので注意しましょう。

データ消去のためのソフトウェアを使う

3つ目の方法は、専用ソフトを使用することです。専用ソフトは無料から有料のものであり、誰でも簡単に使用することができます。

しかし、使用するソフトによっては復元できてしまう可能性があるでしょう。性能や消去できる範囲はソフトによって異なるため、完全なデータ消去を保証することは難しいです。そのため、重要なデータや知られたくない内容が入っているパソコンを処分する方は、自己責任で使用するようにしましょう。

電磁消去を行う

4つ目の方法は電磁消去です。強力な磁気を使用してハードディスクを使用できなくしてしまう方法になります。

ハードディスクは磁気に弱く、動作不良を起こすことが可能です。物理破壊と同様に、使用できなくなるため、結果的に完全消去ができます。

しかし、電磁消去は磁力が弱いと効果が発揮されません。復元できてしまう恐れもあるのでその点は注意しましょう。

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パソコンを処分する際、データの取り扱いは非常に重要です。不適切な方法で処分してしまうとデータが復元されてしまうので、被害に遭う危険性があります。

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